『無帽』600号で終刊
香川県内で600号まで50年間続いていた同人誌『無帽』が今月10月号で終刊となる。
私自身は131号からの加入なので、470編の随筆を発表した。一号も欠かしたことはない。ひたすら39年間毎月6~8枚の随筆を書いてきた。すべて合計すれば原稿用紙3000枚くらいになろうか。毎号違った題名で、しかも前号と微妙に連句的連関を持つようになっているかもしれない。途中に飛躍して変転している節もところどころある。数十年の間には大波小波も立った。
また、この月1編の随筆とともに、年1編の小説も33編残している。それは愚息が文庫本にまとめ、巻末には一覧表にしてくれている。小説の方は苦手でやむなく書いてきた。
ここに題名だけ羅列しても、人は面白くもないだろう。ただ自分としては、わが文学的半生がさまざま思い起こされる。人様には何の関係もない絵空事、自己満足に過ぎないのだが、名もなき文学青年が文学老人となる個体史のようなものかと思う。
私の第1号は131号(昭和49年9月)小豆島点描から始まる(以下号・年月略)曼珠沙華・戦争遺児・寺山修司の原像・魚になる話し・津軽へ・まるめろ・津軽空想旅行・故郷とふるさと・北杜夫の原質・声なき挽歌・幼児のコトバ・蟇歩く・巨星落つ・学びの丘・樋口一葉・不惑の芭蕉・私の風景・高村光太郎の彫像・西行定家の肖像・風景の中を走る・矢を放つ人・蛙とともに・山登り・出家と家出・海と西行・種と花と実と・国語の中・詩のある文・福井の里・転宿・土佐紀行翌日・西行の逆説・西行の聖俗・西行の虚実・現代版枕草子・媼と娘・カクレガニ・親捜し・ことばの探湯・開発・文学の原質としての夢・暴落した夢・夢野の鹿・夢の風景・「連翹の島」を聴いて・さとうきび畑・用字法・夢の風・発見・外来語について・ことわざの中の親子・葵子・文学の中の節子像・西行と頼朝・残照の中に・一庶民の墓誌・国際児童年・西行恋歌・身近な死・ふるさとの碑・阪神ファン・姉妹・アナウンサー・文学の中の父と子・ことば習得の男女差・地名・父を偲ぶ・一兵卒・帽子・濁点・沖縄の夏・スクラップノート・西行と宗鑑・父と子の風景・幻の風景・節分・三月三日の日記・絵と私・宗鑑の直筆・連翹の雨・乱世に生きる・問題化・いい名前・母と子の連歌・父の日記・昭和五十六年日記抄・犬年・一抱えの菊・香川一空子著『早蕨』・フランス語の魅力・ああ濃霧・渚の回復・大正初期の夏休み日記・短連歌抄・啄木への旅・映画「ひめゆりの塔」・組曲「内海に寄せる賛歌」より・わが百号・漢字の順序・北村季吟の遺墨を発見・早起き・わが庭の木々・最近の日記から・禁煙法・胡瓜泥棒・雅号・わが心の歌集・内原にて・鎮守の森・幕切れ・父子で彫った句碑・梅一輪・緑の国勢調査・八坂俊生、この一句・西行芭蕉への旅・年号表記の揺れ・田の草取り・香川県にも風景条例を・あくび・川底は死んでいる・県内の宗鑑遺墨・迎春の一茶・西行伝説長須の松・芋畑・笠掛桜・久の松・白峯・綾上の尊像・万灯の西行像・直島の西行像・真清水・和田の雨乞歌・三野津・瀬戸内・京都東山・三重の西行歌碑・吉野山・弘川寺・高野山・大峰山・伊賀の木遣歌・江口・花の寺・児島・西行橋・鼓の滝・昼寝桜・西行坂・西行峠・西行井戸・二十五丁橋・二僧塚・天竜の渡し・佐藤屋敷・小夜の中山・西行という地名・平泉・共通一次に『撰集抄』・瀬戸大橋と西行・伝説形成の源『西行物語』・伝承としての西行像・西行伝説一覧・三分の一の科学文明・別れの言葉・方言の風景・映像・動詞の風景あわてる・よむ・成す・落とす・はる・植える・創る・まつる・歩く・待つ・信じる・おもう・忘れる・輝く・疑う・遊ぶ・生む・葺く・泣く・笑う・受ける・流れる・悟る・彩る・学ぶ・言う・闘う・探す・忍ぶ・記す飾る・縫う・夢む・満足する・働く・さすらう・望む・負ける・散る・書く・訪れる・褒める・動く・はなれる・申す・咲く・伝える・黙る・酔う・遠き父母・青春賦・フェニックス・波・風・道・空・生・幻の島・芦原すなおの近況・芦原作品を読み解くキーワード・歌仙を巻く・歳末歌仙・新春歌仙・心付け・早春独吟歌仙・筆名・宗鑑の『俳諧連歌抄』・観音寺歌仙・丸亀歌仙・小豆島一茶歌仙・芭蕉の連句・ささめごと・平成西讃歌仙・若者の付句・平成七年乙亥正月歌仙・愛国百一首・死んだ男・河出書房創立者・光と風と夢・昭和七十年・満洲の父から・軍人墓地・岳父の「従軍日記」抄・柞田川・三豊干拓地・雲辺寺山・防人の歌・森川義信、その妹・瀬戸内万葉歌・三月の奉天・万葉夏の歌・大和撫子・「たまきはる」考・万葉秋の歌・大君の命かしこみ・志々島の軍人墓地・『万葉集』の中の粟島・万葉冬の木・芭蕉自筆「奥の細道」発見・万葉春の花・こもりくの里・家持とホトトギス・母父・家持の夢の歌・万葉の挽歌・万葉に詠まれた伊勢・鹿持雅澄・菅生神社門柱歌・恋の奴・万葉集の謎・大伴家持と高岡・鹿児島特攻基地・逆回り奥の細道大垣・敦賀・福井・全昌寺・小松・金沢・市振・直江津・象潟・酒田・出羽三山・立石寺・尾花沢・尿前の関・名前・渚・アルゼンチンからの便り・彼岸花・河田誠一幻想詩碑・二人の先輩詩人・「四国文学」創刊号・不死鳥は死なず・脇起歌仙三巻・御存じ竹槍騒動・一夜庵の屋根・花の心・明日香風・俳句甲子園・三豊市・芦原すなお年譜・百歳万歳・激動の二十世紀郷土史・二十世紀の戦没者よ・牧師合田俊二之墓・豊後早春旅中連句・万葉集に詠まれた花鳥・万葉植物園・霍公鳥・万葉の音声表現・父の遺書・終戦記念日・詫電連句・奈良県立万葉文化館・万葉色紙展・万葉の中の愛子・詫電連句二・二の宮茶畑・高瀬茶は・銅鐸・人麻呂の殯宮挽歌・先輩から譲られた本・古代人の死生観・紫草・粟島軍人墓地・西讃の校訓碑・戦後六十年・三豊の戦時遺跡・三豊モンロー・連句覚え書・半歌仙「花筏」・万葉仮名・万葉代表歌百首・言霊の幸はふ国・紫草を育てて・宗鑑遺墨展・人麻呂終焉の地・自分史を書く・阪神優勝・一夜庵裏山・母の章・今は亡き人々・今松が危ない・松原日記一・二・三・四・虚子碧梧桐の一夜庵訪問・奥社参道殺人事件・ブラックプリンス・伊吹島・台風の当たり年・戦後還暦・古本屋に出ていた本・「義経」に祈る・讃岐流浪・文学的自伝・やがて市となる平家谷・中河与一「万葉の精神」・遠浅の海浜・中河幹子の故郷歌・箕浦・自作紙芝居・クニヲマモレ・雲辺寺山・『潮騒』幻想・すさまじきもの・人麻呂の沙弥島・母から教わった教訓・香川県の西行伝説・野口雨情の観音寺小唄・渡月橋・文学方位観・高橋和巳の三豊時代・旧正月年賀状・ものを言うお地蔵さん・道問えば・筆ペンで万葉集・鈴の歌・予讃万葉線・「柞」とは・誘蛾灯・観音寺・四国は島か・橋姫幻想・方言の魅力・都鳥は万葉の鳥・「万葉みらい塾」桑山で・芭蕉句碑・巌谷小波の句碑・さらば教壇・小豆島再訪・バーチャル連句・もの忘れショック・のつごはん・伊能忠敬を歩く・早苗塚・自作「木簡」・国学の風景・自己紹介・万葉土讃線・蔭膳・先輩文庫・さとうきび畑・老人勉強力・万葉植物園・ワークショップ・てくてくさぬき・道真の讃岐体験・塩飽島めぐり・礎(いしじ)・周年のこと・一里塚ウォーク・特攻隊員の遺書・逆縁・三島由紀夫の琴弾・新常用漢字・「大丈夫」問答・鎮守の森・戦後六十五年・みちのく二人旅・讃岐守・先輩文庫・准看学生の作文・誕生日の花と花言葉・動詞の風景頑張る・澄む・勇む・避難する・死ぬ・語る・遺す・奪う・会う・引く・為す・変わる・歩く・はかる・食う・改める・にほふ・勝つ・話す・詠む・聞く・讃岐文芸紙碑・島比呂志・高橋和巳の最期・小学生の総合学習・水車の復活・早苗まつりに夢幻能・今日も花、自分の花・郷土文学の再認識・うしろ姿のポエジー・六〇〇号終刊に寄せて