拙作『連翹の島』が問題化されたことがある。32年前の「
四国新聞」中学生のための実力養成講座に出題されていた。著者に承諾
はえていなかったのだが、問題文に取り上げてくれたことで私自身満足している。この言葉は、登場人物のどういう気持ちを表しているか、問題にされてもよくわからない。紛らわしい選択肢の中から選びとるのはかなり難しく、やっかいである。
それにしても、偉いなあと思うのは、出題する国語の先生。ここぞという一節に注目して、ご自分で問題を考え出す才能に感心する。著者は軽く、難なく書き流した文章の裏を読み取り、生徒に考えさせる実力があられる。原作者の私はお手上げである。
*明日は市立図書館の読書会で本書が取り上げられます。