フランス俳人との交流を通して得たもの

 フランス俳人を讃岐に迎えて                                                   
 9月にフランスの代表的俳人数人を迎えた。9月中旬から香川県滞在中は俳跡を案内。丸亀の蕪村寺、観音寺の宗鑑終焉の一夜庵、小豆島では放哉記念館、句碑の森を探訪。来日の目的は俳句の根源を求め、自らも本場日本で俳句ハイクを作る旅であったかと思う。
 フランス語で三行詩に詠まれたものを、合谷さんの仲介を経て五七五の定型にまとめる。季語は『歳時記』がないはずのフランスにおいて必須条件ではない。丸亀での開講式では「花鳥諷詠」について話させてもらったが、短時間で意は尽くせなかった。あえて季語を入れて詠んでもらったフランス人の翻訳俳句。
  秋の空風なくも揺れ内子の灯  マルティン
  秋時雨透き通る羽根逆光に   ダニエル
  夏の風丸亀の酒ちょと味み   ローラン 
  宗鑑の墓参の叶いにわか雨   ミン
 これらの句が仏訳されて逆輸入されれば、どんな句になるのだろうか、興味のあるところである。
 語り尽くせぬ自然の深遠さ、人事の背後をわずか17音に集約する難しさ、それでもこのフランス人は果敢に挑戦していることに敬意を表さずにはいられない。帰国後どんなに過ごされているだろうか。できれば私もフランスへ行って俳句を作ってみたい。
        
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