蕪村の梅句

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     蕪村の梅句  蕪村は梅が好きだったのか、その遅速を愛して
               辞世にも「しら梅」が詠まれる。
                  
    しら梅に明る夜ばかりとなりにけり
 
  うぐいすや賢過ぎたる軒の梅      
  梅ちりてさびしく成りしやなぎ哉             
 ◎二もとの梅に遅速を愛す哉       
  うめ折りて皺手にかこつ薫りかな        
     
  白梅や墨芳しき鴻ろ館          
  しら梅や誰むかしより垣の外            
  舞い舞いの場もふけたり梅がもと          
  出べくとして出ずなりぬうめの宿       
  宿の梅折り取るほどになりにけり             
  隅ずみに残る寒さやうめの花                
  しら梅や北野の茶店にすまひ取
  うめ散るや螺鈿こぼるる卓の上
  梅咲いて帯買う室の遊女かな           
  源八をわたりて梅のあるじ哉                
  燈を置かで人あるさまや梅が宿            
  梅咲きぬどれがむめやらうめじややら            
  しら梅の枯木にもどる月夜哉                
  小豆売る小家の梅のつぼみがち         
  梅遠近南すべく北すべく      
  紅梅や比丘より劣る比丘尼
  紅梅の落花燃ゆらむ馬の糞