高橋和巳の先祖を守りて

 
高橋和巳は大阪の今宮中学時代、空襲で焼け出され、父母の郷里香川に疎開して、三中二年生のとき終戦を迎えた。その時の体験は作品には形象化されていない。むしろ、他の素材を借りて、国家社会に背を向けて己が理想に生きる「志の文学」として昇華される。高橋和巳の現代に問いかけるものは?
上掲の遺影は、高橋和巳家の玄関に飾られていたものを記念に私が頂いたもので、
この先輩作家を偲ぶよすがとして大切に我が書斎に今も飾っているものです。
その人は、「和巳ちゃん」と呼ぶものですから、私もいつからか「和巳ちゃん」と呼ぶようになっています。また、父方先祖の墓碑は郷里で私が預かり、供養しています。
 
 
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